僕が走り続ける理由
トドが鏡の前を走ってた
もともと、筋トレをやっていて
体重なんて、特に気にしたことがありませんでした。
そんなある日、人に撮ってもらった写真を見て、思わず固まりました。
慌てて体重計に乗ったら、まさかの100キロ。
仕事が終わるのはいつも遅く、晩御飯の時間も自然と遅くなります。
揚げ物ばかり食べているわけでもなく、割とクリーンな食事を意識していましたが、食べる時間が遅いだけでこんなにも体は変わるのかと、正直驚きました。
「また食事制限しながらハードな筋トレで絞るか」とも考えました。
でも何かいまいちその単純作業に、もう心が動かなかったのです。
せっかくだから、今までやったことのないことをしよう。
そう思ってランニングを始めることにしました。
最初はルームランナーからのスタートです。
それでも500メートルも走れませんでした。
自分への戒めとして、走っている姿が映るように正面に鏡を置きました。
そこに映っていたのは、まるでトドのような自分でした。
その姿を見るたびに、「絶対に痩せる」と自分に言い聞かせていました。
2ヶ月で、フルマラソンに出ることになりました
ある日、患者さんから声をかけていただきました。
「北九州マラソンのエントリーがまだ間に合いますよ。出てみませんか?」
即答しました。「出ます。」
そこから2ヶ月、ドタバタの準備でした。
練習中にシンスプリントになりました。
サイズがわからなくて合わないシューズを買ってしまい、爪を痛めました。それでも走り続けて、本番に出場。
結果、4時間27分。
完走です。
しんどいと思っていましたが、実際のマラソン大会は、1人で冷たい雨の中公園を黙々と走っていたあの時間とは全然違って、沿道の声援、一緒に走る仲間、街全体が盛り上がる雰囲気——まるでお祭りのようで、純粋に楽しかったです。
35キロ過ぎに、不思議なことが起きました
35キロを過ぎたあたりで、何か不思議なゾーンに入りました。
今まで関わってきた人、出来事、自分を取り巻く環境すべてに、静かな感謝の気持ちが湧いてきました。
同時に、目の前を走る人たちを見て「負けたくない」という、ごく単純な悔しさも込み上げてきました。
感謝と悔しさが、同時に走る。
そんな不思議な体験でした。
その経験を経て、シンプルにマラソンが好きになりました。
それが今も走り続けている、一番根っこにある理由だと思います。
市民ランナーの憧れである「サブスリー(フルマラソン3時間切り)」を達成できるまでは、一生懸命取り組んでみたいと思っています。
走ることで変わったこと
「体のこと」
しっかり走り込んでいれば、ダイエットで悩むことがほとんどなくなりました。
下半身を使う運動が、体の土台を整えてくれています。
食事・運動・睡眠という健康の三本柱のうち「運動」の部分は、下半身を動かすことでかなりの部分をカバーできると感じています。
「朝の時間のこと」
朝に走ることが多いのですが、その時間が一日の中でとても貴重なものになりました。
これからのことを考えたり、今日の流れを整理したり、頭の中をリセットしてから一日をスタートできます。
「患者さんとの会話のこと」
整骨院という仕事柄、「運動したほうがいいですよ」と会話する場面は多くあります。
自分が実践しているかどうかで、その言葉の重さは変わると思っています。最近は、健康の話をすると患者さんがすんなり聞いてくれるな、と感じることが増えてきました。
「人への敬意のこと」
初めてマラソンに挑戦する人の決断を、心からリスペクトできるようになりました。
自分より速いランナーにも、同じように敬意を持てます。
走ることを通じて、人に対する敬意の深さが変わってきたように感じています。
フルマラソンはすべての人にはお勧めしません。でも「スロージョグ」はすべての人にお勧めします。
正直に言います。
フルマラソンは体に悪いです。
42.195キロという距離は、人間の体にとって相当な負荷がかかります。
すべての人にお勧めできるものではありません。
ただ、「スロージョグ」は別の話です。これは全員にお勧めしたいと思っています。
スロージョグとは、隣を走っている人と普通に会話ができるくらいのペースで走ること、と定義されています。
そのスピードは人によってまったく違います。
大切なのはペースではなく、「しんどくない」という感覚です。
「走るのはきつい」という声をよく聞きます。
でもそれは、きつくなるスピードで走っているからきついだけです。
ジョグは、きつく感じるほど速く走ってはいけません。
「これ、走っていると言っていいのかな?」と少し恥ずかしくなるくらいのゆっくりしたペースがちょうどいいのです。
そのくらいのペースで走ることで、体への負担を抑えながら、心肺機能や下半身の筋力を着実に育てることができます。
だから、僕は走り続けています
今では走ることは、ダイエットのためだけではありません。
頭を整理する時間であり、人への敬意を学ぶ場であり、患者さんに「動くことの大切さ」を自分の言葉で伝えるための実践でもありました。
これからも、サブスリーという目標に向かって走り続けます。
そしてこれを読んでくださった方にも、まずはゆっくり、隣の人と話せるくらいのペースで、一歩踏み出してみてほしいと思っています。
これからも僕は、走り続けます。

