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もし「痛み」があなたに取り憑いたら?痛みを長引かせてしまう意外な行動

abetaka.official

もし「痛み」が、人に取り憑く生き物だったとしたら。

できるだけ長く、その人の体に居座るために、何をすると思いますか?

きっとこんなことをしてくるのではないでしょうか。

「そこ、痛いでしょう?😈」

「気になるなら、もっと触ってみたら?😈」

「もう一回押して、まだ痛いか確認してみよう😈」

「YouTubeで“腰痛に効くストレッチ”を探してみたら?😈」

「痛いところをもっと揉んでみよう😈」

「湿布も貼っておこう。かぶれてきても、痛いんだから仕方ない😈」

もちろん、本当に「痛み」という生き物がいるわけではありません。

でも20年以上、体の痛みを診てきて感じるのは、

人は痛みが出ると、かなり似た行動を取りやすい

ということです。

そして、その中には良かれと思ってやっているのに、結果として回復の邪魔になっているものもあります。

痛いところを、何度も確かめてしまう

画像 32.jpeg肩が痛ければ、

「ここかな?」

と何度も押す。

腰が痛ければ、何度も前に曲がって、

「まだ痛いな」

と確認する。

膝が痛ければ、しゃがんでみて、

「やっぱりここまで曲げると痛い」

と繰り返す。

気になるから確認したくなる。

これは自然な行動だと思います。

ただ、痛みが出る動作を何度も繰り返したり、刺激に敏感になっている場所を何度も強く押したりすれば、その場所に余計な刺激を加えることもあります。

痛い場所を探し続けることと、体を良くすることは同じではありません。

痛いから、とにかく揉む・叩く

画像 31.jpegこれもよくあります。

「硬いから痛いんだろう」

「血流が悪いから揉めばいいだろう」

と考えて、痛いところを強く揉んだり、叩いたりする。

最近では、フォームローラーやマッサージガンなども簡単に手に入ります。

もちろん、それらが悪いわけではありません。

気持ちよく感じたり、一時的に楽になったりすることもあります。

ただし、痛みの原因や状態によっては、刺激を加え続けることが適切とは限りません。

炎症が強い時期や、組織を傷めた直後に、

「痛いからもっとほぐそう」

と刺激を繰り返すのは、少し考える必要があります。

YouTubeで見つけたストレッチを、とりあえず全部やる

画像 28.jpeg

これは最近かなり多いと感じています。

腰が痛ければ、

「腰痛 ストレッチ」

肩が痛ければ、

「肩こり 治し方」

膝が痛ければ、

「膝痛 ストレッチ」

と検索する。

すると、

「これだけで改善」

「30秒で腰痛解消」

といった動画がたくさん出てきます。

問題は、その動画が間違っているかどうかだけではありません。

その運動が、今の自分の状態に合っているかどうかが分からないことです。

同じ「腰が痛い」という人でも、痛みが起こったきっかけも、動かしたときの反応も、体の使い方も違います。

ある人には合うストレッチでも、別の人には刺激が強すぎることがあります。

それでも、

「ストレッチは体にいいものだから」

と思って、痛みを我慢しながら続けてしまう。

これも、痛みが居座りやすい環境をつくってしまう行動の一つかもしれません。

痛いから、まったく動かなくなる

画像 30.jpeg逆のパターンもあります。

「動かしたらもっと悪くなるんじゃないか」

と怖くなって、できるだけ動かさなくなる。

もちろん、ケガをした直後など、状態によっては負担を減らした方がよい時期があります。

ただ、すべての運動器の痛みで「動かさないほど良い」というわけではありません。

例えば腰痛についても、英国の国立医療・ケア研究機構(NICE)は、状態に合わせたセルフケアとともに、可能な範囲で普段の活動を続けることを勧めています。

怖さから必要以上に動かなくなると、

「これをしたら痛くなるかも」

「あれもやめておこう」

と、生活そのものが少しずつ小さくなっていくことがあります。

反対に、痛いのに無理を続ける

画像 29.jpeg「動かない」の反対もあります。

「これくらいなら大丈夫」

「休んだら負け」

「走っていれば、そのうち慣れる」

と、痛みを無視して運動や仕事を続ける。

少し休んで楽になったら、すぐ元の運動量に戻す。

また痛くなる。

また休む。

そして少し良くなったら、また同じことをする。

この繰り返しも、よく見かけます。

必要なのは、

「動くか、休むか」の二択ではありません。

今どのくらいなら負担をかけられるのか。

何を減らして、何なら続けてよいのか。

その調整が大切です。

そして一番厄介なのは「痛い場所だけ」を見続けること

私は、ここがとても大切だと思っています。

腰が痛ければ腰。

膝が痛ければ膝。

肩が痛ければ肩。

当然、まずそこが気になります。

でも、人の体は一か所だけで動いているわけではありません。

例えば膝に痛みがあっても、

股関節の動き。

足首の動き。

歩き方。

走り方。

仕事で長時間取っている姿勢。

急に増えた運動量。

睡眠や回復の状態。

さまざまなものが関わっている可能性があります。

もちろん、痛い場所そのものに損傷や炎症がある場合もあります。

だから、

「痛い場所は関係ない」

という話でもありません。

大切なのは、

痛いところだけを見れば十分とは限らない

ということです。

痛みは単純に「組織が傷ついている量」だけで決まるものでもありません。国際疼痛学会も、痛みは身体的な要因だけではなく、心理的・社会的な要因にも影響される個人的な体験だとしています。

だからこそ、その人の体だけでなく、

「いつから痛いのか」

「何をしたときに始まったのか」

「仕事では何をしているのか」

「普段どれくらい動いているのか」

「最近、運動量が変わらなかったか」

というところまで見る必要があります。

「痛みを消す行動」から「体を戻す行動」へ

画像 27.jpeg痛いと、

「とにかく、この痛みを今すぐ何とかしたい」

と思います。

それは当然です。

湿布を貼る。

揉む。

ストレッチする。

痛い場所を押す。

サポーターを巻く。

どれも「早く良くなりたい」と思ってする行動だと思います。

でも一度、

「今やっていることは、体が回復するために必要なことだろうか?」

と考えてみてください。

痛い場所を刺激し続けるより、負担を減らした方がいいかもしれない。

ずっと安静にするより、少し動かした方がいいかもしれない。

ストレッチするより、まず運動量を減らした方がいいかもしれない。

逆に、怖がって避けている動きを、少しずつ戻した方がいいこともあります。

答えは、痛みの状態によって変わります。

だから痛みが出たときに必要なのは、

「何をすれば痛みが消えるか」だけではなく、「なぜ今ここに負担がかかっているのか」を考えること。

もし「痛み」が本当に人に取り憑く生き物だったなら、

一番居心地がいいのは、

その人が痛い場所のことだけを毎日気にして、同じことを繰り返してくれる状態

なのかもしれません。

痛みを追いかけ続けるのではなく、

一度少し視野を広げて、体全体と生活を見てみる。

そこから、痛みとの付き合い方が変わることもあります。

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